１９９５．０８．２１　北アルプス　乗鞍岳

１９９５．０８．２１（月）　雨　　青梅（１０：００〜１７：３５）畳平

　小学校４年生の長男Ｔを連れての北アルプスだ。とは言っても車で畳平まで入り１泊するのでほとんど気分はドライブである。あまり天気が良くない中を、青梅のアパートを出発する。青梅街道を西に進み、柳沢峠を越えて塩山から中央道に入ろうと思っていたのだが、この道は急な上り下りとカーブが多く、長男Tは車酔い。何とか山道を越えたのだが、ぐったりしてしまっている。山に登る前からバテててどうする。

　そんな事があったり、また道も混んでいた事もあって、松本を過ぎるのにかなりの時間を費やしてしまう。新島々で遅目の昼食を摂った後、再度心配な山道に入る。１回酔ったせいか今度は大丈夫だったが、替りに雨と霧が酷くなってしまう。乗鞍の有料道路に入ってからは物凄い霧で、対向車が直前まで判らない状態となる。やはりこういう事を考えるとフォグランプは必携品。

　５時間程度で着くだろうと思っていたのだが、結局７時間半掛かって畳平に到着。小屋は駐車場の奥にあるはずなのだが、霧の為どこがどこだか判らなかった。山小屋と言うよりは旅館と言った方がいいだろう、６畳の個室を二人で利用。遅く着いたので、食事には間に合ったのだが、お風呂には入れずじまい。夜になって一応雨は止んだようだが、外の景色は全く見えなかった。食事はやたらと味噌を使っていたが、ここら辺は名古屋圏になるのだろうか。

１９９５．０８．２２（火）　曇り時々雨　　畳平（０７：２０〜０７：５５）肩ノ小屋（０７：５５〜０９：００）乗鞍岳（０９：１５〜１０：２０）畳平（１０：４５〜１５：３０）青梅

　天気図を見てればおおよその天気は判るが、それでも奇跡的な好天を期待するのが人情ってもの。しかしあっさり裏切られて、霧の中の登山となる。しばらく車道を進み、肩の小屋から山道に入って行く。途中で休憩した後、長男Tに「そろそろ行くぞ。」と声を掛けたら、周りには誰も居なかった。先に行ったのかなと思い、ちょっと先まで見に行っても居ない。「神隠し」にあったのだろうか。乳白色の霧の中にただ一人呆然と立ち尽くす。

　「どうなっているんだろう。」とうろたえていると、はるか後ろの方から長男Tの声。「何やってるんだよ。」と問い掛けると、「だって、行くんじゃないの。」と言う答え。どうやら彼は、前と後ろをまるっきり、取り違えていたみたいだ。まあそれだけ酷い霧だと言う事なのだが、ちょっと安易な登山姿勢を反省。片道１時間半の行程とは言え、ここはれっきとした北アルプスの３千メートル峰なのだ。

　まあ何とか頂上には着いたが当然何も見えず。かなり冷え込んでいるので早々に下山する事にする。慎重に地図と磁石で下山ルートを確認した事は言うまでもない。畳平まで戻ってくると、次第に霧も薄くなってきた。まあ今更天気が回復してもしょうがないのだが。せっかく長男Tに雄大な山の景色を見せてあげようと思っていたのだが、それもかなわず残念な山行ではあった。