１９９９年　第３３回青梅マラソン

　１９９９．０２　第３３回青梅マラソン

　２年振り２回目の青梅マラソン出場。昨年は風邪気味だったのと、雪が降っていたのと、さらに長野オリンピックで日本期待のジャンプラージヒルが行われていた事もあり棄権してしまった。２０日の土曜日に受け付けを済ます。車で市立体育館に行ったのだが、大変な混雑の為、駅前に路上駐車。毎年恒例のパスタパーティーは長い行列ができていたのでパス。選手用グッヅの入った袋の色は黄色。何か毎年同じだなあ。

　今年は５kmを２回と１０kmを１回しか走っていないのだが、１０日前に１０km走った時のタイム（５４分）が、自分としては満足行くものだったので、何となく気が楽。さっき貰ってきたばっかりのＴシャツにゼッケンをつけて準備完了。夕食はおまじないの気持ちを込めてスープスパゲッティ。どれほど効果があるものだろうか。前日は禁酒のつもりだったが、気分に負けて飲んでしまう。

　朝は５時に起きて昨日の残りのスープ２杯とバナナで軽く朝食を摂る。天気はいいのだが風が強い様だ。今までの３回は、雪で中止、雨、雪と天気に恵まれていなかったので、今年はいいコンディションだ。９時２０分に家族全員で家を出る。奥多摩街道に近づくに従って、練習をしている人が増えてくる。ゼッケンによってスタート位置が指定されているのだが、かなり前の方からのスタートだ。

　右手首のけんしょう炎、万座プリンスの露天風呂で転んだ時の右脇腹の痛みに加えて、右腰と言うかお尻の右側の謎の痛み、と言った具合に体の右半分が怪我人なのが気がかり。１０時のスタートが近づく。ドキドキしてくる。三人に見送られて定刻通りにスタート。ファミリーマートの前で待っていると言っていたが、そこに１０時４７分までに帰ってこられれば念願の５０分以内達成だ。

　スタートしてすぐ、右腰の痛みに気がつく。これは確か２月１１日に走った時に両側とも痛かったのだが、その後スキーから帰ったら何故か右側だけ痛みが酷くなったものだ。右足を前に出した時に痛い。「ヤバイ、このまま痛みが増してきたら到底１０kmは持たない。どこかで棄権するか。再来週は三浦マラソンも有る事だし．．．しかし周りを見ても棄権何かしている人はいないし、どうすればいいんだろう。」

　市役所を過ぎ、東青梅の駅を過ぎ、都立高校のタイコの応援を聞き、青梅駅近くの「帰ってこいよー」の唄を聞いても、痛みは増してこないので何とかなりそうだ。しかし応援もワンパターンだよな。右腰の痛みを除けば調子は良さそうだ。そう言えば、スタート後１kmの地点でタイムを計ろうと腕時計を見たのだが、何とストップウォッチのスイッチを入れ忘れた事に気が付く。通常の時計に切り替える。確か２分近く進んでいるのは判っていたから、目安にはなりそうだ。

　青梅の駅を過ぎ宮ノ平駅手前の緩やかな上りに差し掛かる。２年前はここから折り返し地点がやたらと長く感じられたが、今年はそうでもなかった。折り返し点に近づくと続々と先行しているランナーとすれ違う。彼らを見ていると焦りの気持ちが強くなるのだが、いざ自分が折り返すと、後続のランナーの多さにホッとさせられる。５km通過が２６分位だっただろうか。

　今年は天気がいいせいか応援の人も多い様だ。さすがに地元出身者が多いのだろう、そこここで走っている人に声援が飛ぶ。僕には誰も声を掛けてはくれないのだが。ラスト付近を走っている人達とすれ違う。かなり年配の方だった。元気なもんだ。しかしあれでは中間５kmの関門を越えられないだろう。それでも完走を目標に毎年毎年出場し続けるのだろうか。「うーん、ドラマだなあ。頭が下がるなあ。」

　右足をかばう様にして走っていたせいか左の背中付近が痛み出してくる。しかしもう先は見えている。青梅駅、東青梅駅を過ぎ、みんなの待っているファミリーマートが近くなってくる。何かポーズでも決めてやろうかと思っていたら、それよりかなり手前にいたので左手を挙げただけで通過。危なく見つけそこなうところだった。最後の直線で、黄色の点滅している信号が二つ見える。あの二つ目がゴールだ。

　ゴール付近で放送している声が既にゴールした人数を告げている。おそらく１２００番くらいで、タイムは５２分程度だったろう。一番左のゴールゲートを通過する。ここから完走証を貰うまでが長い。走り終えた体には酷な１００メートルだ。体育館を一周して今まで走ってきたコースを戻る。まだかなりの人が走り続けている。人込を掻き分けて妻Ｍ達の所へ向かっていると長男Tが出迎えてくれた。

　念願のタイムには届かなかったけど、まあ一時は棄権も考えた程だったから、完走できて何よりだ。もう既に規定の１時間１０分は過ぎたけれど、まだまだ走っている人達がいる。伴走者を伴って走っているのは何らかのハンディキャップを持った人なのだろうか、７０歳くらいに見える人もいる。みんな苦しそうだ。何で走るのかは人それぞれだろうが、自分は何で走るんだろうか。そんな事を考えつつ家に戻った。

　ちなみに右脇腹の痛みはその後も取れず、３月の上旬に心配になって病院に行ったら、肋骨の骨折と判明致しました。もし青梅マラソンに骨折者部門なんて言うのがあったとしたら、この私が優勝者だったでしょう。皆さん、体のどこかがおかしい時は、なるべく早くお医者さんに診てもらいましょうね。